自分が変われば周囲も将来も変わる

<カーネギーの『人を動かす』から学んだ自分と他人を変える力> 

箱田忠明[著] クロスメディア・パブリッシング[出版]

自己啓発本の大御所、デール・カーネギーの3つの著書、「人を動かす」、「道は開ける」、「話し方入門」の内容を、著者の箱田先生が自分の体験を交えて具体的、実践的に語ってくださっています。語られる物語の場面が目の前にありありと浮かんで来て、とにかく読んでいて面白いのは、生きた本当の体験に基づいたお話だからでしょう。今からすぐに実践できそうな話がてんこ盛りです。何度も読み直して自分の生活で実践したい内容で、まさに『座右の書』となる一冊です。このような本がわずか1000円ちょっとで手に入る日本に生まれて良かった。

「自分と他人を変える力」となっていますが、本質は「他人は変えることはできないが、自分を変えることはできる。自分が変われば、他人も将来も変わる」ということです。このへんはアドラーとも共通する考えですね。また、カーネギーの教えとして以下のような言葉を紹介されていますが、これなどまさに「いま、ここ」をダンスするように生きようというアドラーと同じです。

過去と未来を鉄の扉で閉ざせ。今日一日の区切りで生きよう。「道は開ける」P42

人間関係を改善する基本として、箱田先生はカーネギーの人生哲学を学び、人に教え、自らも実践してきたなかで、「丁・賞・感・関・謝」の法則にたどり着いたそうです。これは、以下の言葉の頭の文字を取ったものです。丁寧(他人に対しては常に丁寧であれ)、賞賛(人はおおいに褒めて損はない)、感謝(感謝はミラー効果で帰ってくる)、関心(声掛けをいっぱいする)、謝罪(断固として謝る)。私は、「丁・賞・感・関・謝」の文字を付箋紙に書いて、机の前に貼ることにしました。

今、本屋に行くと売れ筋の本が置いてある一角には必ずといっていいほど、心理学関係の書籍が何種類も置かれているのを目にします。それは主に「相手を見抜く」とか「相手を思いのままに操る」とか、相手にばかり目を向けて自分の利益を図るような本です。私もこういう本はキライではないし、相手が自分を操ろうとしているのに気付かないのもイヤなので、手に取って見るのですが、このたぐいの本に対する最強の防御は、実は、箱田先生の教えを実践することなのではと気づきました。

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