中年以降は前頭葉を鍛えることが必要だ

<定年後の勉強法> 

和田秀樹[著] ちくま新書[出版]

脳の前方にある前頭葉の機能には未知の部分が多いのですが、意欲や創造性を担っていると考えられています。この部分を事故などで損傷したり、ここに腫瘍や脳梗塞が発生したりすると、意欲が失われたり、驚き、怒り、悲しみ、喜びといった思考や感情の切り替えができなくなります。この前頭葉と呼ばれる部分の萎縮(老化)は、早ければ男性更年期にあたる40代から始まります。前頭葉が萎縮すると、意欲を持って物事に取り組んだり、自分で考えをまとめたりすることが苦手になるなどの変化が現れます。(中略)すなわち、人間の老化は身体機能や知力以前にまず、感情から始まるのです。(中略)感情が動かなくなると、ますます前頭葉の萎縮も進むという悪循環に陥ってしまうのです。

定年後の勉強法という本ですが、この本を手に取ることができるだけで、実はあなたの寿命は平均以上であることが証明されるという福音書みたいな本でした。脳が老化してしまったら、「今更、勉強法なんてパスかなぁ」と思い、この本を取り上げて見ることはないそうです。そして、脳が老化していないことと寿命にはプラスの相関関係があるそうです。まぁ、「長生き=幸せである」とは必ずしも言えませんが。。

脳科学からの見地では、前頭葉の萎縮はなんと、40代から始まるそうです。この本によると、前頭葉の老化が始まった兆候は以下のとおり。

・思考の切り替えができなくなる:ささいなことで怒り出す。悲しみから逃れられなくなる。

・向上心が無くなる:何をしてもつまらない。何に対してもやる気が起きない。

・思考が頑なになる:そんな話は知ってるよと聞く耳を持たなかったり、他人の意見を受け入れられない。

年を重ねて行くのに合わせて脳を使い続けないと、肉体よりも先にどんどん脳が衰えてしまうということです。でも、それは脳が衰えた本人には自覚できないですよね。衰えた脳を持つ本人は、脳が衰えたとは自覚できないし、そのことで周りに迷惑をかけているとも思えない。こんなことをしていると脳が衰えるのだということを理解して、今から周りに迷惑をかけないで老いるにはどうすべきか考えたいという人にとっては、本書は有用なのではないかと思う次第です。

私がこのサイトを立ち上げて、ブログを書こうと思ったきっかけは、第一にはボケ防止です。定年後、仕事から離れた日常において、今の思考力をどれだけ保っていけるのか、保って行くためにはどうしたらいいのか。私なりに考えた結論が、自分の考えをまとめてブログで発表するということです。私の戯言にお付き合いいただいき、読んでくださる方がいらっしゃいましたら感謝申しあげます。

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