二重洗脳 依存症の謎を解く

<二重洗脳 依存症の謎を解く> 

磯村 毅[著] 東洋経済新報社[出版]

この本によるとタバコ依存症のメカニズムは以下のとおり。

1.ニコチンには、ドーパミンを強制的に分泌させる作用があるばかりでなく、アルファ波という脳波を増やす作用がある。ドーパミンは快楽を感じる脳内物質であり、アルファ波は癒しの力があるとされるテンポの良い脳波である。

2.しかし、喫煙者のドーパミンの分泌量およびアルファ波の量は、喫煙の刺激によって反応が鈍くなっているため、普段から非喫煙者よりも少なくなっている。喫煙者はタバコを吸っても、せいぜい非喫煙者のレベルにまでしか回復しない。

3.そのため、喫煙者は非喫煙者と同じぐらい安心するには普段からニコチンの補給が必須となる。本来なら、タバコなど吸わなくても出るドーパミンもアルファ波もタバコ無しでは補えない。タバコなどなくても問題ないストレスが、タバコを吸うことでしか解消できなくなる。

「二重洗脳」という意味は、(1)本来は必要のないもの[ニコチン]を本人にとって必要不可欠だと思い込ませ、(2)それを得る手段・方法[喫煙によるニコチン切れのストレスの解消]が他にはないと信じ込ませること。

パチンコなどのギャンブル依存、カルト教団の洗脳(マインド・トラップ)などに限らず、これと同様な仕組みで、知らず知らずにうっかりハマってしまうことがゴロゴロところがっているので要注意。

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