変えられないものを受け入れる冷静さへのカギ

<セドナメソッド 人生を変える一番シンプルな方法> 

ヘイル・ドゥオスキン[著] 安藤理[監修] 乾真由美[訳] 主婦の友社[出版]

『神よ、願わくば私に、変えることのできないものを受け入れる心の落ち着きと、変えられるものを変える勇気と、そのふたつを常に識別する知恵を、お与えください。

—冷静さへの祈り— ラインホルト・ニーバー』

上記は、キリスト教社会に古くから口承されている「ニーバーの祈り」と呼ばれるものです。私たちが悩み苦しむことの多くは、変えられないものを受け入れられない場合や、変えることができるのにそれに気づかない場合、その勇気が湧き起こらない場合に発生します。

例えば、自分にとって良くないある出来事が起きた場合に、そうならなければよかったのにとか、なぜ自分がこんな目に会わなくてはならないのかとか感じる時や、どうして良いのか分からなくて頭が混乱している時などです。

セドナメソッドの解放の手順を使えば、変えられないことを受け入れる冷静さも、人生で変える必要のあることをやすやすと変える勇気も、その2つを見分ける知恵も手に入ります。では、いったいどのようにすれば良いのでしょうか。その答えは、「変えたいと思う感情を解放すること」です。

なぜでしょうか? 理性の声は、変える必要のあることを変えたいと思う気持ちが行動につながると言いますが、実際起きることはその正反対です。ある問題を変えたいという気持ちにこだわり、焦点をあててしまうと、問題を意識する気持ちが問題を存続させることになるのです。

この仕組みはこうです。もしあなたが、「~でなければ良いのに」と思ったとします。そのとき人間の意識は全く逆の「~でなければ良いことそのもの」をイメージします。つまり、意識は言葉とは異なり、存在しないことはイメージできないのです。例えば、私があなたに「白い象を思い浮かべないでください。」と言ったとします。どうなりましたか? あなたは「白い象」を思い浮かべたのではありませんか?

欲しくないものを作り出さないようにすればするほど、その考えを強く持ち続けることになり、その結果、現実となってしまう可能性が高まるのです。では、解決策はなんでしょうか?簡単です。「何かを変えたいという気持ちを手放す」のです。

さらに、変えられることと変えられないことを識別するのにはどうしたらよいのでしょうか?この場合には、変える必要があるのか現状のままがいいのか分からないときは、いつでも「変えたい気持ち」を解放する決心をしましょう。その気持ちを解放すれば、そして変えられないことなのならば、現状を穏やかに受け入れられますし、逆に、変える必要のあることであれば、解放することで、必要な行動を簡単に起こせるようになります。

【解放の手順】

・「この状況を変えたい気持ちを、できるだけ認めることはできますか」

→はい/いいえ

・「では、この状況を変えたい気持ちを、手放せますか?」

→はい/いいえ

・「手放しますか?」

→はい/いいえ

・「いつ?」

→今

シェアする

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

フォローする