「人生のタスク」を乗り越えよ

※岸見先生の「嫌われる勇気」の要約です。私自身のアドラー心理学理解のためにやっていることです。私の理解により見出しや文章は一部変更していることをあらかじめご了承ください。

どうしてあなたは他者を「敵」だと見なし「仲間」だとは思えないのか。それは「勇気をくじかれた」あなたが、「人生のタスク」から逃げているからです。アドラーは、人間の行動面と心理面の在り方ついて、はっきりとした目標を掲げています。それは以下のとおりです。

・行動面の目標が2つ

1.自立すること

2.社会と調和して暮らせること

・そして、この行動を支える心理面としての目標が2つ

1.私には能力がある、という意識

2.人々は私の仲間である、という意識

そして、これらの目標は、アドラーの言う「人生のタスク」と向き合うことで達成することができます。

では、その「人生のタスク」とは何か? それは人が成長するにつれて社会生活を営む上において他者との関係のなかで向き合わざるを得ない3つのタスクです。アドラーはこれらのタスクを「仕事のタスク」、「交友のタスク」、「愛のタスク」の3つに分けて、それらを纏めて「人生のタスク」と呼んでいます。それはひとりの人間が、社会的な存在として生きて行こうとするとき、直面せざるを得ない対人関係、それが人生のタスクです。

たとえば、「仕事のタスク」について、ひきこもりの人を考えてみましょう。彼は、人前に出るのが怖いのでも、仕事がしたくないのでもなく、単に「仕事にまつわる対人関係」を避けたいがために引きこもっているのです(←目的論)。仕事を通して他者から叱責、批判されたくない、自分には能力がないと思われたくないというのが本心です。かけがえのない「わたし」の尊厳が傷つけられることが嫌なのです。

つまり、他者を「敵」だと見なし「仲間」だとは思えない理由が「人生のタスク」から逃げているからだというのは、あなたが対人関係を回避して逃げているからです。アドラーは、「さまざまな口実を設けて人生のタスクを回避しようとすること」を指して、「人生の嘘」と呼びました。

いま自分が置かれている状況、その責任を他の誰かに転嫁する。他者のせいにしたり、環境のせいにしたりすることで、人生のタスクに向き合うことを避けている。しかし、このようなあなたのライフスタイル(人生の在り方)を決めたのは、ほかでもないあなた自身である。

私たちは原因論的なトラウマに翻弄されるほど脆弱な存在ではありません。目的論に立脚すれば、自らの人生を、自らのライフスタイルを、自分自身の手で選びなおせるのです。我々にはその力があります。

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